読了

福井晴敏の『Op.(オペレーション)ローズダスト』ようやく読み終わりました。文庫本三冊の大長編、延べ5ヵ月かかりました。
一言でいうと自衛隊の元特殊部隊隊員が日本でテロを起こす、というもの。文章は読みにくいですがストーリーはまあまあです。
特に気になった、というより妙に納得してしまった一説をご紹介。
テロリストの一人、山辺俊作が高台から外堀通りを見下ろし、子供の頃に読んだ手塚治虫作品を思い起こすシーン
「車は相変わらずタイヤを回して走っているが、カーナビの液晶ディスプレイは珍しいものではなくなり、大半のドライバーの懐には恐ろしく小さなカメラ付き携帯電話が収まっている。それが現実の近未来、バブルの虚妄の果てにたどり着いたこの国の二十一世紀というわけだ。終末戦争は起こらず、圧政に等しい管理社会が到来することもなく、至るところに酸の雨が降り注ぐ大規模な自然破壊も顕在化していない。ただその可能性だけが示唆され続け、常態になった息苦しさを人心に留めている。──中略──手塚は──未来が未来としてあった頃に紡がれた物語たちは、林立する高層ビルがオフィスの過剰供給をもたらし、地価下落に拍車をかけると予測していただろうか?発展一途の科学が地球環境を破壊すると占いはしても、不況などという古くさい言葉が二十一世紀に持ち越され、地球より先に経済が行き詰ると想像し得ただろうか?」
確かに昔の漫画家の作品の中で『環境破壊』『第三次世界大戦』『核戦争』なんかで人類が滅ぶという話はよく出てきましたが、経済が破綻するなんて話はだれも書いていなかったように思いますね。
- by Afro
- at 2009年08月16日





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